「クロスを張り替えてから何年経ったか覚えていない」
「少し黄ばんできたけれど、まだ張り替えるほどではない気もする」
壁紙は毎日目に入るため、少しずつ変化していると劣化に気づきにくいものです。
一般的な住宅の壁紙は、5〜10年程度が張り替えを考え始めるひとつの目安です。ただし、5年経ったら必ず交換、10年を超えたらすぐ工事、という意味ではありません。日当たりや湿気、喫煙、ペットの有無などで状態は大きく変わります。
そのため、クロスの張り替え時期は「何年経ったか」だけではなく、剥がれや変色、カビなど実際の状態と合わせて判断することが大切です。
【目次】
- クロスの張り替えは5〜10年程度がひとつの目安
- 年数より確認したいクロス張り替えの5つのサイン
- 部屋によってクロスが傷む早さは変わる
- 小さな剥がれならクロスを全面張り替えなくても済む場合がある
- クロスを張り替えるなら天井や床も一度確認する
- クロスの状態を見て張り替える範囲を決める
■クロスの張り替えは5〜10年程度がひとつの目安
壁紙メーカーのサンゲツでは、一般的な住宅における壁紙の貼り替えについて、5〜10年程度を目安としています。一方で、天井など汚れが目立ちにくい場所ではそれ以上使える場合があり、キッチンや洗面所、トイレなどは汚れ方によって早めの貼り替えが必要になる場合もあります。
つまり、「築10年だから全部張り替える」と機械的に決める必要はありません。同じ家でも、リビングはまだきれいなのに洗面所だけ剥がれている、といった差は普通に起こります。
・5年より前でも張り替えが必要になることがある
クロスの劣化は、年数だけで進むわけではありません。
直射日光が長時間当たる壁は色が変わりやすく、湿気が多い場所ではシミや剥がれ、カビが発生しやすくなります。サンゲツも、直射日光や過度な湿気が壁紙の変退色・剥がれ・カビにつながる点を案内しています。
特に窓際、洗面所、トイレ、北側の部屋などは、家全体の築年数とは別に状態を確認した方がよい場所です。
・「クロスの耐用年数は6年」とは別の話
クロスについて調べると、「耐用年数は6年」という情報を見かけることがあります。
ただし、この6年は「6年ごとに壁紙を新品へ交換する」という意味ではありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、賃貸住宅の原状回復費用を考える際、クロスは6年で残存価値が1円となる考え方が示されています。
持ち家のクロスを張り替えるタイミングとは基準が異なるため、「6年経ったから寿命」と判断する必要はありません。
■年数より確認したいクロス張り替えの5つのサイン
クロスを替えるか迷ったら、まず壁を少し離れた位置から見て、その後に継ぎ目や窓際を近くで確認してみてください。
年数よりも分かりやすい判断材料になるのが、次のような変化です。
・黄ばみや黒ずみが掃除しても目立つ
壁紙は、手垢、油汚れ、ホコリ、日焼けなどによって少しずつ色が変わります。
家具を動かしたときに「家具の裏だけ白い」と感じるほど色の差が出ていれば、部屋全体でも変色が進んでいる可能性があります。
表面の汚れであれば掃除で改善できる場合もありますが、日焼けや素材そのものの変色は拭いても元には戻りません。見た目を整えたい場合は、張り替えを検討するタイミングです。
・クロスの端や継ぎ目が剥がれている
壁の角やクロス同士の継ぎ目が少し浮いている程度なら、状態によっては部分的に補修できることがあります。
一方、剥がれてから時間が経ち、クロス自体が硬くなっている場合は補修しにくくなります。サンゲツも、部分的な剥がれは早めの補修を案内する一方、時間が経ったものや劣化して硬くなった壁紙は貼り替えを推奨しています。
小さな剥がれでも、広がってきているかどうかは確認しておきたいところです。
・壁紙に浮きや大きなひびが見える
クロス表面が浮いている、筋状の割れが出ている場合は、壁紙そのものだけが原因とは限りません。
下地の継ぎ目や建物の動きなどが表面に現れている場合もあるため、新しいクロスをそのまま上から貼れば解決するとは限らないからです。
目立つ割れがある場合は、「クロスを替えるか」だけではなく、下地の状態も含めて確認した方が判断しやすくなります。
・カビやシミが出ている
黒い点状の汚れや、何度拭いても同じ場所にシミが出る場合は注意が必要です。
結露や過度な湿気は、クロスのシミ・剥がれ・カビにつながります。
表面だけ張り替えても、結露や水分が発生している原因が残っていれば再び症状が出る可能性があります。カビやシミが広がっている場合は、クロスの裏や下地まで確認した上で施工範囲を決める方がよいでしょう。
・タバコやペットなどの臭いが残っている
見た目に大きな傷みがなくても、長年の生活臭が気になって張り替えを検討するケースがあります。
壁紙には消臭機能を持たせた製品もあり、サンゲツではタバコ臭、アンモニア臭などを対象とした消臭壁紙も展開しています。
張り替えるのであれば、今までと同じ壁紙を選ぶだけでなく、その部屋で何が気になっていたのかに合わせて機能を選ぶ方法もあります。
■部屋によってクロスが傷む早さは変わる
「家を建てたときに全部同じタイミングで貼ったから、全部まとめて交換した方がいい」とは限りません。
クロスの状態は、その部屋をどう使っているかによって変わります。
・リビングや子供部屋
家族が長く過ごすリビングは、人が触れる場所や家具の周辺に汚れが付きやすくなります。
子供部屋も、手垢や家具の擦れ、落書きなど、経年劣化以外の傷が増えやすい場所です。
逆に、傷んでいるのが一面だけなら、部屋全体ではなく一面をアクセントクロスとして張り替える選択肢もあります。
・キッチン・洗面所・トイレ
キッチンは油や料理中の汚れ、洗面所やトイレは湿気の影響を受けやすい場所です。
サンゲツでも、台所・洗面・トイレなどは汚れの状態によって一般的な目安より早めの貼り替えが必要になる場合があるとしています。
同じ築年数でも、リビングより先に水回りのクロスが気になることは珍しくありません。
・寝室
寝室はキッチンほど汚れやすい場所ではありませんが、ベッドや家具で壁の一部が隠れたままになりやすい部屋です。
模様替えをしたときに日焼けによる色の差が目立ったり、家具の裏側で湿気がこもっていたことに気づいたりする場合があります。
家具を動かす機会があれば、普段見えない壁まで確認しておくと状態を把握しやすくなります。
■小さな剥がれならクロスを全面張り替えなくても済む場合がある
クロスに傷みを見つけても、すぐに部屋全体を張り替える必要があるとは限りません。
継ぎ目の小さな剥がれなど、壁紙自体の劣化が進んでいない状態であれば、部分補修で済む可能性があります。反対に、部屋全体に黄ばみがある、複数箇所で剥がれている、壁紙が硬くなっている場合は、部分補修を繰り返すより全面張り替えを検討しやすい状態です。
特に確認したいのが下地です。カビや大きな浮き、割れがある場合は、表面だけ新しくしても原因が残ることがあります。
「壁紙が古いから交換する」と決める前に、どこまで傷んでいるのかを確認しておくと、必要以上に工事範囲を広げずに済みます。
クロスの表面だけ直すか、内装まで見直すか迷っている場合はこちらも確認できます。
■クロスを張り替えるなら天井や床も一度確認する
クロスを張り替えるタイミングは、壁以外の内装を確認する機会にもなります。
たとえば壁だけ新品になると、これまで気にならなかった天井の黄ばみが目立つことがあります。反対に、床や天井の状態に問題がなければ、無理に一緒に交換する必要はありません。
確認したいのは、「同じ部屋を数年後にもう一度工事する可能性があるか」です。
壁紙を張り替えた直後に床も工事することになれば、家具を再び移動したり、室内を再度養生したりする必要があります。クロス張り替えをきっかけに、天井・床・巾木なども一度見ておくと、今直す場所と後回しにする場所を決めやすくなります。
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■クロスの状態を見て張り替える範囲を決める
クロスの張り替え時期は、「何年経ったか」だけで決めるものではありません。
5〜10年程度はひとつの目安になりますが、実際には黄ばみ、剥がれ、カビ、下地の状態などを見ながら判断します。部分補修で済む壁まで全面張り替えする必要はありませんし、反対に下地が傷んでいる場所へ新しいクロスだけを貼っても、きれいな状態を保ちにくくなります。
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